L'Ecume des Jours
ベジフレンチ。ヘルシーでカラフル。美しいは美味しい。画像はクリックすると大きくなります☆
TITLE : 甘党のカステラ

ちんまり。

焦げ目と高さ。
「私が子供の頃の昭和初期には、
今のように菓子の種類も多くなかったし、洋菓子といえば、
ドーナツとシュークリームとカステラの三つしか知らなかった」
と、池波正太郎が『食卓の情景に』に書いているような、
懐かしい印象を受けるおなじみのお菓子、カステラの和名は
「加須底羅」で「カスティラ」と言うのが本式だそうです。
南蛮渡来と言われる通り、室町時代にポルトガル人によって
もたらされたとものの本には書いてありますが、原産国は
ポルトガルではなくお隣のスペインだとも伝えられます。
castileとは、今のスペインの一部にあった旧王国の名で、
ポルトガル人はスペインをカスティラと呼んだ時代もあったそう。
名前だけがお菓子に冠され、はるばる海を渡って来たようです。
ううううん、ロマンティック!
歴史は古く、珍しいお菓子でもありましたので、
「太閤記或問」という本によると(読んだことはないので、
孫引きになりますが)、ばてれんは日本の宗旨に対し、
「上戸にはちんた・ぶだう酒・ろうけ・がねぶ・みりんちう」を、
「下戸にはかすていらぼうる・かるめひる・あるへい糖・こんぺい糖」などを
「もてなし、我宗門に引入る事、尤もふかかりし也」とあるそうで、
布教活動にも一役買っていたそうです。
美味しいものに人の気持ちが緩むのはいつの時代も
同じなのですねー、と、想像すると、ちょっと微笑ましい。
ふふ。
日本に於けるカステラ製造業の始祖は、長崎本博多町和泉長鶴で、
東に進むと、京では五条烏丸西入ル一文字忠兵衛、
江戸は日本橋呉服町鳥谷嘉七であったと言われます。
本山萩舟「飲食辞典」によれば
「流布の間に日本人の思考が加わって、
長崎風の淡白に比し江戸は風味濃厚となって現代に及んだが、
明治以後東京カステイらは全体が濃厚な代り、
表面には砂糖末を用いないものが多くなり、
これをまぶしたのが長崎カステイラの特徴と
見られるようになった」
だそうです。
英文学者の吉田健一にも、食べ物に関する著作が少なくないのですが
「舌鼓ところどころ」に「カステラの町・長崎」という文章があり、
長崎・船大工町のふくさ屋のカステラ工場を覗いた話を
「カステラを焼いた跡の方にくっついている粕を削り取って食べると、
この方が焼き損ないよりもさらに上等だった。
あれが一缶手に入ったら儲けものであるが、
店から外へは出さない。」
とあります。
ともかくカステラと言えば長崎ということになるのですが、
発祥の地だけあり、町のあちらこちらにカステラ屋があり、
進物用の上等の他、季節にだけ作る可愛らしい桃カステラなどなど、
または端切れを集めて包み店先のワゴンに並べ求めやすい価格で
売っているのもよく見る光景です。地元の人のおやつとして
愛されているお菓子だと、よくわかります。
これだけ多くの文献にも登場するくらいに、
全国的に長く愛されている永遠の名菓でもありますね。
前置きが長くなりましたが、長崎帰りの人からおみやげに
美味しいはしっこばかりたくさんのカステラを頂いたのでした。
おやつに朝ご飯に、毎日少しずつ大切に食べていたのですが
日が経つとさすがに固くなり、それはそれで紅茶や
生姜湯やココアに浸して食べるのも美味しいのですが、
そればかりだと芸がない気もしますし、
もっと美味しい食べ方がある気がするので
今日は少し趣向を変えてカステラのパン・ペルデュ。
固くなったバゲットをアングレーズに浸して焼く、
フレンチ・トースト風にしてみました。
もともとのカステラがしっかり甘味と風味のあるものなので
作り置いてるアングレーズ(今月はイル・フロッタントを
しているので冷蔵庫にはいつもアングレーズがあるのです)を
少し牛乳で伸ばして、たぷたぷとカステラを浸して吸わせます。
吸わせる時間はできれば30分以上。中まで卵液が浸透して
ふっくら焼き上がります。
フライパンに、あれば澄ましバタ、なければ無塩バタを熱して
カステラを両面を焦げ目がつくまでふっくらするまで焼くか、
もしくはグラタン皿にバタを塗ってアングレーズごと
カステラを載せて、オーブンで焼けばふわっと柔らかい仕上がり。
器に盛って、蜂蜜またはメイプルシロップをかけて、
ちょうど作っていた小蜜柑のシロップ煮を添えて。
甘いカステラ、甘いアングレーズ、甘い蜂蜜。
蜜柑の薄甘さがアクセント。甘い甘いで、これでもかあ〜!
という甘い構成ですが、どれも香りと甘さの種類が違いますので
味わいに幅があり、グラデーションと力強さが加わります。
リッチな美味しさのデザートです。
どうにも甘くて無理かも、という方は
アングレーズに強めに洋酒を効かせると
ぐっと、大人っぽいデザートになりますよ。
子供の頃に読んだ童話でレストランの屋根裏に
隠れ住むおばけの子供が、お客へイタズラでする盗み食いは
ナポリタンの上に乗っているグリンピース、
カステラなら底のザラメの部分、と、一番美味しいご馳走を
姿を消して食べていく場面もありました。
あの本、なんだったっけな〜?
長い日記でした。
カステラと金平糖にはなんでか思い入れが強いので
もう少し整理して改めて書きたいです。
眠いので今日はこれにて〜。
おやつみつばち!
COMMENT
リスボンのカステラ屋さんに行った事があります( ̄人 ̄) 。
元松翁軒の職人さんが経営しています。おいしかったなぁ(/О\)
でも私は、長崎の祖母が福砂屋好きだったので、ザラリンとした福砂屋が好き〜♪
元松翁軒の職人さんが経営しています。おいしかったなぁ(/О\)
でも私は、長崎の祖母が福砂屋好きだったので、ザラリンとした福砂屋が好き〜♪
電話は二番〜。
carinaさま
それは…すんごい怒られると思います。
先生にも忘れられない思い出ですね。
ほほ。
マテさま
リスボンの…!!!
すてき〜!食べてみたい!!
ざらりんふくさ屋おいしいよねえ。
わたしもふくさ屋スキ☆
本店の方がとても親切で嬉しかったです。
carinaさま
それは…すんごい怒られると思います。
先生にも忘れられない思い出ですね。
ほほ。
マテさま
リスボンの…!!!
すてき〜!食べてみたい!!
ざらりんふくさ屋おいしいよねえ。
わたしもふくさ屋スキ☆
本店の方がとても親切で嬉しかったです。
「スパゲッティがたべたいよう」でしょう!
http://www.amazon.co.jp/スパゲッティがたべたいよう-ポプラ社の小さな童話-角野栄子の小さなおばけシリーズ-角野-栄子/dp/459101066X
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おお!オネエサマ、メルスィ〜!!
それだよ!教室で読んだのを覚えているので
たぶん、ふたばにあったんだよー!
それだよ!教室で読んだのを覚えているので
たぶん、ふたばにあったんだよー!
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何かで読みました。むしろザラメだけ食べているとか。
カステラって日本人に郷愁を思い起こさせずにはいられない食べ物に
そんな位置にいるものなのですね。
私の個人的な思い出は、亡くなったH先生が得意げに長崎から買ってきたカステラを
切り分けてくれと頼まれ、しかし甘い物をあまり食べない私はあろうことか
カステラの上下が分からず逆にし、ザラメのところをバリっと剥いて出したところ
すんごい怒られたことがあります。
よい思い出です。